音程の変化
オクターバー
原音のオクターブ上やオクターブ下の周波数の音を発生させて加えるもの。
信号処理で周波数空間で引き伸ばし処理を行なうものと、
周波数全波整流やDフリップフロップ回路等を用いるものがある。
私の場合希に使いますが、曲によって使い分けます。
ピッチシフター
原音を設定された任意の音程分ずらして出力するもの。
ある音階に沿って音程の可変幅を自動的に可変させるものもあり、
例えば3度のハモリを行う場合に長3度と短3度が自動的に選択され、
容易にハモリを可能とする。
原音の周波数を半音など一定の割合で増減させるので、
ピッチの割合を大きくとると、例えば男性の原音が女性のように聞こえたりするが、
調波構造は保たれる。
主な用途はギターのエフェクトである。
ピッチシフター発生の簡明な原理は,
原音に対して,鋸波による位相変調することにつきる。
変調率50%,最大位相をπにとることにより歪なくピッチをシフトすることが可能であり,
鋸波の周波数でシフトすることなる。
エフェクター機器ではないが,
原理上ドップラー効果もピッチシフターとみなすことができる。
私の場合、全半音下チューニングや全1音下げチューニングの場合によく使います。
周波数シフター
原音のすべての周波数成分において同じ周波数だけシフトするものでピッチシフターとは異なる。
出力は原音とは異質である、つまり原音のフォルマントの構成が乱れることである。
そのため、一般的なエフェクターとしては使用できない。
しかし、数ヘルツのシフトでは聴感上大きな問題とはならない。
リングモジュレーター
原音と別信号との掛け算を行う。
つまり原音の音量をその別信号により変化させる
(ただしマイナス側にも振られる=位相が反転する)と解釈でき、
振幅変調(AM)と良く似た関係にある。
単純な例として正弦波sin(Mt)で原音sin(St)を変調することを考える。
ここでMとSはそれぞれの周波数、tは時間である。
両者を掛けるとsin(Mt)sin(St)となり、
これは三角関数の加法定理により0.5{cos(S-M)t – cos(S+M)t}と書ける。
変調の周波数Mが数Hzと低い場合、
両成分の干渉により2MHzのうなりを発生し、
トレモロのような効果が得られる。
1kHz前後で変調すると両者が実際の楽器の音では
複雑な非整数倍の成分となり金属的な歪んだ響きとなる。
例えばピアノの音を変調すると鐘の様な音に変化する。
通常の使用例としては、2つの音を入力とし、
その2つの周波数の加算周波数と減算周波数の2つの音を
出力することによって金属的な音を出すことが多い。
名称に「リング」とあるのは、その回路がリング状になっていることからである。