現代社会は多くのストレスが有ると思います、
それに伴い、うつ病に悩む患者さんが増えていると思われます。
その中で、うつ病の治療をきちんと受けている人は、
思ったほど増えていないのが現状です。
これは、うつ病とはっきり分かる検査法などがないため、
気づくのがどうしても遅くなってしまうからです。
また、いまだにうつ病は、周囲の方からも理解されず、
「気のもちよう」などと精神論などと考えられ、
誤解されることが多いからです。
毎日の生活で「いつもと体調が違う」
と感じていたら、それは、
こころとからだがあなたにうつ病のサインを出しているのかもしれません。
では、うつ病の原因について考えてみましょう。
うつ病はなぜ起こるのか・・・
はっきりした原因は現代医学ではまだハッキリと解明されていません。
脳での神経の伝達物質の働きが悪くなるのと同時に、
ストレスや他の病気、環境の変化など、
さまざまな要因が重なって発病すると考えられています。
うつ病は1つの原因のみで発病するのではないということです。
うつ病の発病の原因としては、
「遺伝的要因」、「環境での要因」、「身体的な要因」が考えられます。
「遺伝的要因」としては、家族、親類にうつ病の人が居る、
私も親や兄弟に、うつ病患者が居ました。
実際私もうつ病を25歳の時発症して現在も完治していません。
しかし、性格や遺伝だけがうつ病の原因だとすれば、
患者の数はほぼ一定して変わらないはずですが、
近年のうつ病の罹患率が急増していることを考えると、
遺伝だけでは説明がつかなくなります。
また、急速に変貌する現代社会の中にあって、
それに対応しようとすると大きなストレスが現代人を襲ってきます。
「環境での要因」としては
・幼少期のストレス
・身内や親しい人の死亡
・ペットなどの死亡
・仕事や貯金などの喪失
・人間関係のトラブル
・家庭内の問題
・就職や退職、または転勤
・結婚や離婚
・妊娠、育児などのストレス
・引っ越しなどの環境の変化
・過酷な労働環境
これらが考えられますが、その人にとって重大な過度なストレス、
または環境変化に身体が追いつかず、発症する場合が多いようです。
上記の要因が重なれば、発症率は高まると思われます。
「身体的な要因」としては
・慢性的な疲労
・脳血管障害
・感染症、癌、甲状腺機能の異常
・月経前や出産後、更年期などによるホルモンバランスの変化
・降圧薬、経口避妊薬などの服用
身体的な要因から見ても、女性患者の方が多いと思われます。
うつ病発症のメカニズムとしては、
脳の神経細胞における情報の伝わり方に、
異変が生じているということが報告されています。
私たちは生活の中で、脳から「食べる」、「寝る」
などの基本的な動作の命令をからだに伝えていますが、
「意欲」や「記憶」などの感情を伝えたり、
知的な命令もしています。
このとき神経の細胞から細胞へ情報を伝えているのが
「神経伝達物質」と呼ばれるものです。
この中のセロトニンと
ノルアドレナリンは、
気分や意欲、記憶などの人の感情にかかわる
情報の伝わり方をコントロールし、
こころとからだの働きを活性化していると考えられています。
うつ病では、何らかの原因で神経の細胞と細胞の間にある
セロトニンの量が減って、情報がうまく伝わらないために、さまざまな症状があらわれると考えられています。