政府が中国通信機器大手2社を事実上、調達先から排除する方針を決めたことを受け、
日本の携帯大手は、今後本格化する次世代の高速通信規格「5G」用の基地局整備から
中国勢を排除する見通しだ。
だが、代わりにシェア拡大の恩恵を受けそうなのが、エリクソンとノキアの欧州勢や
韓国のサムスン電子など海外勢。
NECや富士通など日本メーカーへの影響は限定的となりそうだ。
現在の4Gと呼ばれる通信網で、基地局に中国の華為技術(ファーウェイ)と
中興通訊(ZTE)の機器を採用しているのは、ソフトバンクだけ。
同社は現在使用中の設備の更新に加え、5G用の設備でも中国メーカーの製品を主要部分で採用しない方向だ。
NTTドコモとKDDI(au)も追随する公算が大きい。
調査会社のMCA(東京)によると、2017年度の国内の基地局向け機器の販売シェアは、
ファーウェイが13%、ZTEが2%だ。ファーウェイは低価格を武器にここ数年シェアを伸ばしており、
ともに18%のNECと富士通を追い上げ、5Gでも攻勢を掛けると予想されていた。
中国2社の締め出しで、国内勢にも商機はあるが、国内メーカーは「それほど単純ではない」
「どういう影響があるか読み切れない」などと及び腰だ。
現在、ソフトバンクはエリクソンやノキアからも機器を調達する。
価格面やこれまでの取引で培った技術の蓄積から「穴は海外勢が埋めるのではないか」とみられている。