東京地裁は22日、私的投資の損失を日産自動車に付け替えたなどとして
会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された前会長、
カルロス・ゴーン被告(64)の保釈を認めない決定をした。
弁護人が18日に2回目となる保釈請求を出していた。
地裁は東京地検特捜部や弁護人から改めて意見を聞くなどした結果、
口裏合わせなど証拠隠滅の恐れが高いと判断したとみられる。
弁護人は決定を不服として準抗告するかどうか検討するが、ゴーン被告の勾留はさらに続く見通しとなった。
弁護側は、ゴーン被告が会社法違反などの罪で起訴された今月11日に保釈請求を出したが、
15日に却下され、準抗告も17日に棄却された。
証拠隠滅や海外逃亡の恐れがあることなどが理由とみられる。
最初の請求では保釈後の制限住居を東京のフランス大使公邸かパリにすると地裁に伝えていたが、
2回目は、日本国内に変更して請求していた。さらに代理人を通じ
「裁判所が正当と考える全ての保釈の条件を尊重する」との声明を出し、
旅券の提出や毎日の出頭、高額の保釈保証金などを受け入れるとしていた。
ゴーン被告は地裁で8日に開かれた勾留理由開示手続きで、
いずれの起訴内容も否認した上で「根拠もなく嫌疑をかけられ、不当に勾留されている」と無罪を訴えていた。
ゴーン被告は昨年12月10日に平成22~26年度の報酬を過少に記載したとして起訴され、
27~29年度分の容疑で再逮捕された。
その後、同月20日に地裁が特捜部の勾留延長請求を却下し、
保釈される可能性が高まったが、翌21日に会社法違反容疑で再逮捕された。
ゴーン被告をめぐっては、「長期勾留」などと海外メディアを中心に日本の刑事司法制度を批判する報道が続いていた。